四季を舌で感じてみませんか?季節によって違う旬の和菓子を味わう

 

手土産にも♪季節ごとに異なる旬の和菓子


日本人に馴染み深い和菓子は、繊細な技法で作り出される芸術品でもあります。
 
春には桜の芽吹きをイメージした和菓子、夏には清涼感ある和菓子、秋には秋の味覚を使った和菓子、冬には年越しの縁起を込めた和菓子など…。
 
今回は、季節ごとに異なる旬の和菓子をご紹介。みなさんもきっと和菓子屋さんに足を運びたくなるはず♪

春の和菓子

三月 草餅


三月の和菓子と言えば、ヨモギなどの草を練りこんだ草餅。
 
粒あんやこしあんなどを包んだ草餅が有名ですが、そのままの草餅をきな粉で食べることもあります。
 
トースターで温めると、お餅が柔らかくなってより美味しく食べることができますよ。

四月 桜餅


四月に流通し始める桜餅には、長命寺風(江戸風)と道明寺風(上方風)の2種類があります。
 
長命寺風は、クレープのような小麦粉の生地でこしあんを包んだもの。そして道明寺風は、もち米で粒あんを包んだもの。
 
それぞれを塩漬けした桜の葉で巻いたものが、桜餅と呼ばれているのです。

五月 柏餅


五月五日の端午の節句に供えられる和菓子として有名なのが柏餅ですよね。
 
柏やサルトリイバラの葉で巻く理由は、香り付けだけにあらず。抗菌作用や保湿、手を汚さないためなど、合理的な意味があるのです。
 
柏は子孫繁栄の象徴とされ、縁起がいいともされています。

夏の和菓子

六月 若鮎


六月を代表する和菓子である若鮎は、楕円形に焼き上げたカステラ生地で求肥(ぎゅうひ)、もしくは小豆あんを包んで魚の形に仕上げた和菓子。
 
若鮎は京都が発祥とされていて、毎年鮎の解禁に合わせて売り出されています。
 
その原型は「調布」という和菓子。古代、租庸調(律令制時代の租税)で布を納めていたという故事にあやかっており、それを鮎に似せて作ったものが若鮎なのだとか。

七月 水ようかん


汗ばむ七月の和菓子と言えば、寒天とあんこで出来た水ようかん。ぷるぷるとした口当たりが涼しげな、夏の風物詩です。
 
普通のようかんよりも水分量が多く、かつてはおせち料理のデザートとして冬の時期に作られていたことも。
 
冷蔵技術が進んだ現代では夏に冷やして食べることが多いですが、一部の地域では「冬の菓子」としてのイメージが根付いているそう。

八月 くずきり


くずきりは、ところてんのようにつるんと食べられる夏の和菓子です。
 
黒蜜やきな粉をつけて食べるのが一般的になっていますね。
 
海草から作られるところてんと違い、くずきりは「くず」という植物の根から作られるくず粉が原料。
 
ひんやりした喉越しで、残暑が厳しい八月にはもってこいの和菓子といえます。

秋の和菓子

九月 おはぎ


おはぎといえば、秋のお彼岸に供えられるイメージが強い和菓子。
 
実はおはぎとぼたもちは、材料や作り方はほとんど一緒。
 
おはぎはこしあんで作られていて少し小さめ。ぼたもちは粒あんで、おはぎよりも大きめサイズです。
 
おはぎは秋、ぼたもちは春の和菓子と言われ、時期によって呼称が変わることも。

十月 栗きんとん


十月が旬の栗きんとんは、栗に砂糖を加えて作る岐阜発祥の和菓子。
 
お正月のおせち料理で食べられる栗きんとんとは別物で、さらっとした口どけのお茶菓子として知られています。
 
丁寧に裏ごしした栗あんを茶巾で絞ることで、なめらかな舌触りと栗本来の甘みを楽しむことができるのです。
 
栗の収穫が始まる九月から製造される栗きんとんは、まさに秋の風物詩ですね。

十一月 きんつば


四角く固めた粒あんを、小麦粉の皮で包んで焼いたきんつば。
 
この和菓子は元々、刀の鍔(つば)に似て薄く丸い形をしていたことから「ぎんつば」と呼ばれていました。
 
それが江戸に伝わり、様々な工夫がされる中で「銀よりは金の方が格上」ということで、「きんつば」という名前に変わったのだそう。
 
その名残からか、関東と関西、地域によって色々な種類のきんつばがあるので、食べ比べてみても◎。

冬の和菓子

十二月 ゆず餅


ゆず餅は、香り高いゆずを米粉の生地に練りこんで作られるお餅です。
 
和菓子屋さんで売られているゆず餅には和三盆がまぶされていることが多く、爽やかな酸味とほのかな甘みを味わうことができます。
 
冬至の日にはゆず湯に入る方もいるかもしれませんが、余ったゆずがあるならゆず餅を作ってみてはいかがでしょうか。

一月 花びら餅


ごぼうと白味噌あん、薄桃色のお餅を、求肥などで包んだ花びら餅。
 
年初めの茶事で振舞われる花びら餅ですが、なぜお正月のイメージがついたのでしょうか?
 
その起源は平安時代の新年行事「歯固めの儀式」、花びら餅が宮中のおせち料理として出されていたことにあります。
 
和菓子屋さんではお正月の時期でのみ販売される和菓子なので、年越しの際にはぜひご予約を。

二月 うぐいす餅


うぐいす餅は、うぐいす粉(青大豆から作られる粉)で作った求肥であんを包み、楕円形に形を整えた和菓子です。
 
その名の通り可愛らしい色と形をしていますが、名前の由来は豊臣秀吉という説が有力。
 
弟の豊臣秀長がお茶会を開く際、御菓子司に作らせたこのお餅を秀吉は大いに気に入って「うぐいす餅」と名付けたのだとか。
 
最近では、生地にヨモギを混ぜたりきな粉をまぶしたりというアレンジが加えられることもありますよ。

四季折々の和菓子をまったり楽しむ


いかがでしょう?旬の和菓子は、その季節にふさわしい素材やモチーフを選んで作られていることが分かりますね。
 
季節の風物をかたどったもの、長寿を願ったもの、縁起を担ぐものなど、和菓子には様々な思いが込められているのです。
 
今の時期ならではの和菓子をのんびり味わいつつ、季節の移ろいを感じてみてはいかがでしょうか♪