【知らなかった!】アイシングクッキーの意外な歴史

身近になったアイシングクッキー

 

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デパ地下のスイーツ売り場はもちろん、ファッション雑貨のお店や、駅ナカの小さなショップでも、ディスプレイされているアイシングクッキーをご覧になった方は多いはず。
 
今では専門店もあるほどですが、ほんの数年前までは、ここまで頻繁に目にする機会はありませんでした。
 
星の数ほどあるスイーツの中、突如現れたアイシングクッキーはなぜここまでメジャー化することができたのか。
 
そして、そもそも一体どこから来たのか。
 
意外と知られていないアイシングクッキーのルーツを辿ってみましょう。
 

アイシングクッキーの発祥から普及

 

アイシングスイーツの前身、砂糖菓子

 
初期の砂糖の原料は、パプアニューギニアで発見されたサトウキビ。
 
それまでの抽出方法では、サトウキビ由来の茶色の色がそのまま出ている状態でした。
 
しかし、次第に技術が向上し、ついに1200頃の中国において、白い砂糖を精製することに初めて成功。
 

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ヨーロッパにその技術が伝わると、貴族文化が花開いたルネサンス期、シュガーペーストやマジパンを使った砂糖菓子が次々に誕生しました。
 
まだまだ高価で希少だった砂糖をふんだんに使い、紋章やお城、人物などを象った砂糖細工を作ることは、いわば富を手にした人々のステータスだったのですね。
 

ロイヤルアイシングの誕生

 
時を経て1544年、ロンドンにもイギリス国内初となる精製糖工場が建設されます。
 
粒の細かい真っ白な砂糖を大量に作ることができるようになり、それに伴って製菓技術も一気に拡大して、様々な種類のお菓子が生まれていきました。
 

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産業革命後、さらに技術が成熟していった19世紀のヴィクトリア女王時代には、現在のアイシングと同じ卵白と粉砂糖を練り合わせる技法がロイヤルアイシングとして確立。
 

文献では、エリザベス・ラッフォード著「The Experienced English Housekeeper」の中に、一番最初のアイシングクッキーのレシピが記されています。

 
美しい艶と細やかな細工を可能にしたロイヤルアイシングは、王室の結婚式やクリスマスなど、あらゆるシーンにおいて重要な役割を果たしました。
 

初期のロイヤルアイシング

 
始めの頃は、主にケーキをデコレーションするために用いられ、長期間保存ができるよう、洋酒や香辛料をたくさん使い、さらにアイシングで飾り付けをするのが主流でした。
 
イギリス王室の繁栄にふさわしい華やかなデザインを実現するには、乾くと非常に硬くなるアイシングの特性がもってこいだったのですね。
 


 
二段や三段のケーキが生み出されたのもこの頃で、結婚式に参加できなかった人へ贈ったり、お土産にしたりするために、アイシングをはじめとしてケーキに様々な工夫が凝らされました。
 
今日にも知られるウェディングケーキに長期保存可能なものが多いのはそのためとも言えるでしょう。
 

アイシング技術の広がりと発展

 
その後、砂糖が安価で流通するようになり、一般の人々の間でもアイシングの技術が広く浸透していきました。
 
装飾も繊細で格式高いものだけでなく、家庭的で気取らないものなど、バリエーションが多様化します。
 
クッキーの上にアイシングを絞ってデコレーションする技法は、フランスやドイツなどキリスト教の国においては、クリスマスのスパイスクッキーとして定番に。
 

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海を渡ったアメリカでも、独自のポップでカラフルなデザインが次々と登場します。
 
そして現在、調理器具や機械の進化に伴って大量に生産されるようになりました。
 

日本での広がり

 
日本でアイシングクッキーが知られるようになったのは2011年前後。
 
お店で販売されていたものが話題を呼び、メディアで取り上げられ、瞬く間に全国に広がっていきました。
 
その過程を語るときに、避けて通れないのがSNSの存在ですね。
 
Facebook、Twitterに続き、2014年にInstagramの日本語アカウントが開設。
 


 
とりわけ被写体の見栄えや色味が重視されるInstagramにおいて、カラフルで可愛らしいデザインが多いアイシングクッキーが格好のモチーフだったのは言うまでもありません。
 

お店で購入したものをアップするだけでなく、作家さんが自身のギャラリーとして活用するなどその用途は実に様々。
さらに、専門書籍の出版や資格の創設が追い風となり、アイシングクッキーの人気は盤石なものとなりました。

 

アイシングクッキーのこれから

 


 
このように長い年月をかけて、アイシングクッキーは様々なシーンで重宝されるアイテムへと変化したのですね。
 
今では、その技術はパティシエや専門の作家さんだけのものでなく、一般の方でも身に付けられるようになり、さらなる広がりを予感させています。
 
また、昨今の健康志向も影響してか、米粉や大豆でできるものなど、より多くの方が楽しむことができるアイシングクッキーも登場。
 

もしかしたら、栄養価の高いアイシングクッキーや、カロリーオフのアイシングクッキーが作られる日も近いかも…?
どのような進化を遂げていくのか、この先がとても楽しみですね!