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作家によるテディベアにはすべて個性があります
1900年代初頭に誕生したテディベアは、世界で一番有名なクマのぬいぐるみ。
今や世界各国で流通していますが、その姿かたちはどこの国のものでも大抵似通っており、テディベアと言って思い浮かべる姿はきっとほとんどの似たような姿であるはずです。
しかし、そのテディベアでも作家が一つ一つ手作りした作品には、大量には流通しているものにはない、個性豊かな特徴があることをご存知でしょうか。
そこで今回は、海外の有名テディベア作家と作品、特徴などをほんの一部、ご紹介します。
選ぶ素材やサイズ、顔の表情、脚の形といった細部にまで作家のこだわりが宿ったテディベアは完成度の高い、まさに芸術品。この機会にじっくりご覧になってくださいね♪
ドイツのテディベア作家
最初にご紹介するのはあの高級ぬいぐるみメーカー、シュタイフ社が誕生したドイツのテディベア作家から。
スザンヌ・トイベア
スザンヌ・トイベアさんはヨーロッパらしい、クラシックなテディベア作りを得意とする若手の作家です。
彼女がテディベアを作り始めたのは2000年のこと。その数年前に蚤の市で古ぼけたテディベアを目にしたことで、テディベアに興味を持ち始めたのだとか。
現在では世界中にファンを持つ有名作家になったスザンヌさんですが、その作品はあくまで王道の、基本に忠実なデザインです。一昔前の海外映画に登場しそうな彼女のテディベアは、一見の価値ありですよ!
アンナ・ダーツマル
クラシックな形と優しい表情。ドイツの作家、アンナ・ダーツマルさんが生み出すのはそんなテディベアです。
幼い頃、黄色いテディベアを拾ったことがテディベアに興味を持ったきっかけだといいます。
作品にはヴィンテージの生地やレースが使われ、とても高級感のある作りになっていることが特徴。表情もクラシックな雰囲気に合わせて上品な微笑みをたたえていることにお気付きでしょうか?
眺めていると、優しい気持ちになるテディベアですね。
アメリカのテディベア作家
世界中から人々が集まるアメリカ。ここには様々な文化や個性が現れやすい土壌がありますが、それはテディベア作りにおいても同じです。
ロザリー・フィッシュマン
ロザリー・フィッシュマンさんはアメリカを代表するテディベア作家です。1985年からテディベアを作り続けてきたベテランで、今まで数々の賞を受賞してきました。
ロザリーさんが作り出すテディベアには、昔ながらのクラシックなものからリアルさを追求したものまで、とても一人の作家による作品だとは思えないほど幅の広いラインナップがあります。
また、犬や猫、うさぎといった動物の作品にも定評あり。ご興味のある方はインターネットで「Mill Creek Creations」(ぬいぐるみ制作のアトリエ)と検索し、ロザリーさんの作品集をチェックしてみてはいかがでしょうか。
キャスリーン・ウォレス
長めの脚と、どっしりとした体が特徴のこちらのテディベアは、アメリカの作家、キャスリーン・ウォーレスさんによる作品です。
キャスリーンさんは1982年に50体の自作ベアとともに初めて展示会に参加。そして、あまりの人気ゆえにすぐに売れ切れてしまったという伝説を持つほど才能溢れる作家でしたが、2007年に他界。
これには多くのファンが涙しました。
本来ベアに備わるべき「優しさ」や「安心感」がしっかり体現されている彼女の作品は、今も多くのファンに愛され続けています。
イギリスのテディベア作家
ドイツのシュタイフ社と肩を並べるぬいぐるみの有名ブランド、メリーソート社を生んだイギリスも、数多くのテディベア作家を輩出しています。
ドイツと同様、クラシックなタイプのものが多いですが、現代的で個性的なベアを作る作家もちらほら。
アイリス&チェス・チェズニー
少しくたっとした生地と昔ながらのテディベアの顔が特徴的なこちらのベアは、イギリスのチェズニー夫妻のブランド、「HM Bears」のもの。
1969年に3人の娘さんたちのために作ったベアがすべてのブランドの始まりでした。
現在では世界中にファンがいるほどの知名度を誇っており、あのチャールズ皇太子と故ダイアナ妃の結婚式の際は、引き出物として採用されたのだとか。
現在でも上品でクラシックな「HM Bears」のベアは多くの人々に愛され続けています。
ケリーン・モリス
イギリスはヨークシャー在住のケリーン・モリスさんは新進気鋭のテディベア作家です。キョトンとした表情も可愛らしいですが、彼女の作品の最大の特徴は生地の色!
ケリーンさん自身が染めることもあるというモヘアの色にぜひ注目してください。鮮やかなピンクや黄色、虹色など、色の派手さには1970年代に流行したパンクロック文化の面影も…。
個性的なテディベアがお好みの方は要チェックです。
ロシアのテディベア作家
文学、音楽、バレエなどで偉人を生み出してきたロシアでは、私たちの想像以上に多くのテディベア作家が活躍しています。
スベトラーナ・カバロバ
モスクワ出身のスベトラーナさんは、2003年からテディベア作りを始めた若手の作家です。彼女の作品の特徴は何と言ってもそのリアル感。
まるで動物園から連れ出された小熊を見ているようなリアルさにはもう、ため息しか出ません。
テディベア作家は世界中に!
今回は欧米諸国のテディベア作家をご紹介しましたが、日本をはじめ、アジア諸国でもたくさんの作家が創作活動をしています。
シンガポールや韓国、タイなどの作家によるテディベアにはその国の文化が所々に反映されているので、きっと眺めているだけで楽しむことができるでしょう。
気になる方はSNSなどで「Teddy Bear Artist + 国名」などと検索してみると、意外なエリア出身の作家と出会うことができるかもしれません…!