パン作りに薄力粉は使えるの?意外と知らない強力粉と薄力粉の役割

パン作りには薄力粉よりも強力粉


ホットケーキやクッキーには薄力粉を使いますが、パン作りで使われるのは主に強力粉。
 
見た目は同じ小麦ですが、一体何が違うのでしょうか。
 
なぜ、パン作りには強力粉が使われるのでしょうか。
 
今回は、パン作りに欠かせない強力粉と薄力粉について、違いや特徴、使い方をご紹介します。
 

強力粉と薄力粉の違いは?


小麦粉とは、小麦をひいて粉にしたもののこと。
 
小麦粉の成分の7~8割は炭水化物ですが、そのほかにはタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル類などが含まれています。
 
含まれるたんぱく質の量によって、「強力粉」と「薄力粉」に区別されているのです。
 

グルテンとは


小麦粉のたんぱく質は「グルテニン」と「グリアジン」という小麦粉独特の成分。
 
これを水と混ぜてこねると「グルテン」が出来上がります。
 
このグルテンは粘りや弾力のもととなるもの。
 
グルテンの量やタイプが異なると、生地の硬さや食感にも違いが出てきます。
 
これが強力粉と薄力粉を使い分ける理由です。
 

強力粉とは


強力粉はたんぱく質の多い強質小麦を使って生成され、11~13%のたんぱく質を含んでいます。
 
ある程度の弾力が魅力のパン作りには、この強力粉がぴったりです。
 
グルテンはこねればこねるほどたくさん出来るという性質があるので、パン作りはしっかりこねるのが大事。
 
強力粉の粒は粗くさらさらとした感触なので、手につくこともあまりありません。
 
そのため、生地が手や道具に付かないようにする打ち粉に利用されることも。
 

薄力粉とは


薄力粉は、たんぱく質の少ない軟質小麦を使って生成され、含まれるたんぱく質は7~9%。
 
弾力をほどよく抑えたいケーキ作りなどに向いています。
 
小麦粉を使ったお菓子を作るとき、「生地をこねないようにさっくり混ぜる」のは、こねることでグルテンがたくさん出来てしまい、生地が硬くなるのを防ぐためなのです。
 
粒が細かいので、素材に粉を薄くまぶすムニエルなどに使われることも。
 

強力粉と薄力粉の代用はできる?


強力粉がないから、薄力粉を作ったパンを作ったり、逆に余った強力粉でクッキーを作ることはできるのでしょうか。
 
原料は同じ小麦なので不可能ということはないですが、思っていたのとは違う料理が出来上がるという恐れも。
 
例えば、強力粉でクッキーを焼くとカチカチの仕上がりになってしまいます。
 


逆に、パンを薄力粉だけで焼こうとしても、生地がべたべたしてこねづらく、発酵の時も縦方向に膨らみが足りず横にだらんと伸びてしまいます。
 
焼くとそれなりに膨らみますが、仕上がりは目が粗く、少し硬めに。
 
パンに薄力粉を使うとグルテンの弾力が足りないため、イースト菌によって発生したせっかくのガスが抜けてしまい、膨らみが弱くなるのです。
 


では、強力粉でケーキを作ることは可能なのでしょうか?
 
ケーキはイースト菌で発酵させるわけではありません。
 
そのため、グルテンの少ない小麦粉を使ったほうがふんわり柔らかく膨らみます。
 
強力粉を使うとグルテンの結びつきが強すぎて、伸びが悪く硬い仕上がりになってしまうのです。
 
やはり強力粉と薄力粉はしっかりと使い分けるのが無難。
 

パンに薄力粉を混ぜるのはどんなとき?


パンでは強力粉を主に使いますが、薄力粉を少し混ぜたほうがいいパンもあります。
 
まずは菓子パン。
 
薄力粉を混ぜることで、サックリ軽い食感を味わうことができます。
 


次にピザ生地など伸ばして使う生地。
 
強力粉は弾性が強いため、伸びにくくなってしまいます。
 
大型パンで薄く大きく伸ばす必要があるときには、薄力粉を混ぜると伸ばしやすくなるのです。
 
伸びにくい生地を無理やり伸ばすと、パンの風味が落ちてしまうので、成形しやすい生地を作ることも重要。
 
ただし、薄力粉を混ぜるとグルテンが少なくなり、生地がべたついてこねにくくなるという難点も。
 
最初に加える水分は少なめに、生地の具合を見ながら少しずつ水分を加えて調整しましょう。
 

パンに混ぜる薄力粉の割合は?


パンに薄力粉を混ぜる割合は、特に決まっているわけではありません。
 
どのような食感に仕上げたいかによって割合が異なってきます。
 
ふんわり膨らんだ柔らかいパンを作るときは強力粉を使い、膨らみすぎず歯ごたえのあるパンを作るときは薄力粉を加えます。
 
ただし薄力粉を混ぜると、どうしても生地がまとまりにくくなりがち。
 
1:1で混ぜる方もいらっしゃいますが、強力粉7:薄力粉3が限界と感じる方も。
 
初心者の方はできるだけ強力粉の割合の多いパンから始めたほうが、失敗が少なくて済みますよ。
 

それぞれの特徴を活かして


パンには強力粉を使い、ケーキやクッキーに薄力粉を使うことには、きちんとした理由があったのですね。
 
さらにレシピに書かれた「サックリ混ぜる」「しっかりこねる」といった工程には、生成されるグルテンの量を調整するという目的が。
 
料理の初心者さんにとっては、レシピを読んでもよく分からないということが多いもの。
 
まずはレシピ通りの作り方をしっかりとマスターしたいですね。
 
慣れてきてからアレンジを加えてみましょう。
 
今回ご紹介した薄力粉と強力粉の特性を参考に、さっくり・ふんわり・硬めなど、あれこれ試してお好みの食感に焼き上げてくださいね♪